【行政不服審査法】処分?変更?命令?審査庁ができること

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こんばんは。 行政書士挑戦中のひねもすのたり管理人のブソンです。→合格しました!

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行政不服審査法の審査請求で処分や事実行為、不作為について理由がある場合、「上級庁」「処分庁」「その他の行政庁(上級行政庁又は処分庁のいずれでもない行政庁)」でできることが異なります。

また、執行停止をするときにもそれぞれでできることが異なります。

条文を読んでいてもなかなか覚えられないと思いますので、「上級庁」「処分庁」と「上級行政庁又は処分庁のいずれでもない行政庁」と2つに分けて図のイメージで覚えてしまいましょう。

過去問でもよく出題されている論点ですので、この際にしっかりと覚えておきましょう。

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パターン

処分庁のパターンは「上級庁」「処分庁」「その他の行政庁(上級行政庁又は処分庁のいずれでもない行政庁)」の3つ、対象は「処分」「事実上の行為」「不作為」「執行停止」の4つです。

基本的には条文そのままですので、条文を確認しながら進みましょう。

処分

● 処分についての審査請求を認容する場合


上級庁 処分庁

処分を取り消すことも変更することもできる

その他の行政庁(上級行政庁又は処分庁のいずれでもない行政庁)

処分を取り消すことはできるけど、変更することはできない

● 申請を却下し、または棄却する処分の全部又は一部を取り消す場合


上級庁

処分庁に対して、処分しなさいと命じることができる

処分庁

処分をする

  取消  

  変更  

措置

上級庁

処分庁に処分することを命じる

処分庁

処分をする

その他の行政庁

×

×

上級庁は処分庁に処分しなさいと命じることはできても、自ら処分することはできません。

また、その他の行政庁(上級行政庁又は処分庁のいずれでもない行政庁)は変更することも処分庁に処分することを命じる措置をとることもできません。


第46条(処分についての審査請求の認容)

1. 処分(事実上の行為を除く。以下この条及び第48条において同じ。)についての審査請求が理由がある場合(前条第三項の規定の適用がある場合を除く。)には、審査庁は、裁決で、当該処分の全部若しくは一部を取り消し、又はこれを変更する。ただし、審査庁が処分庁の上級行政庁又は処分庁のいずれでもない場合には、当該処分を変更することはできない

2.前項の規定により法令に基づく申請を却下し、又は棄却する処分の全部又は一部を取り消す場合において、次の各号に掲げる審査庁は、当該申請に対して一定の処分をすべきものと認めるときは、当該各号に定める措置をとる

一 処分庁の上級行政庁である審査庁 当該処分庁に対し、当該処分をすべき旨を命ずること
二 処分庁である審査庁 当該処分をすること

3. 前項に規定する一定の処分に関し、第43条第1項第1号に規定する議を経るべき旨の定めがある場合において、審査庁が前項各号に定める措置をとるために必要があると認めるときは、審査庁は、当該定めに係る審議会等の議を経ることができる

4. 前項に規定する定めがある場合のほか、第2項に規定する一定の処分に関し、他の法令に関係行政機関との協議の実施その他の手続をとるべき旨の定めがある場合において、審査庁が同項各号に定める措置をとるために必要があると認めるときは、審査庁は、当該手続をとることができる

 

問1)処分についての審査請求を認容する場合、審査庁が処分庁の上級行政庁又は処分庁であるときは、当該処分を変更することができる


正解 ○

問2)法令に基づく申請を却下し、または棄却する処分の全部または一部を取り消す場合において、審査庁が処分庁の上級行政庁である場合、当該審査庁は、当該申請に対して一定の処分をすべきものと認めるときは、自らその処分を行うできる。


正解 ×

上級行政庁は、自ら処分はできず、処分庁に処分することを命じることができます。

事実上の行為

● 事実上の行為について審査請求を認容する場合


上級庁

事実上の行為が違法または不当だと宣言し、処分庁に対して事実上の行為の撤廃または変更を命じることができる

処分庁

事実上の行為が違法または不当だと宣言し、自ら事実上の行為を撤廃または変更することができる

その他の行政庁(上級行政庁又は処分庁のいずれでもない行政庁)

事実上の行為が違法または不当だと宣言し、処分庁に対して、事実上の行為を撤廃しなさいと命じずることはできるが、変更しなさいと命じることはできない

違法または不当の宣言

撤廃

変更

上級庁

処分庁に命じる

処分庁に命じる

処分庁

その他の行政庁

処分庁に命じる

×

事実上の行為とは、人の収容や物の留置などのことです。

人の収容や物の留置をしているのは処分庁です。

なので、処分庁は自ら撤廃や変更することはできますが、処分庁以外は処分庁に命令することしかできません。

また、その他の行政庁(上級行政庁又は処分庁のいずれでもない行政庁)は撤廃は命じることはできますが、処分の場合と同じで変更することはできません。


第47条(事実上の行為についての審査請求の認容)

事実上の行為についての審査請求が理由がある場合(第45条第3項の規定の適用がある場合を除く。)には、審査庁は、裁決で、当該事実上の行為が違法又は不当である旨を宣言するとともに、次の各号に掲げる審査庁の区分に応じ、当該各号に定める措置をとる。ただし、審査庁が処分庁の上級行政庁以外の審査庁である場合には、当該事実上の行為を変更すべき旨を命ずることはできない

一 処分庁以外の審査庁 当該処分庁に対し、当該事実上の行為の全部若しくは一部を撤廃し、又はこれを変更すべき旨を命ずること
二 処分庁である審査庁 当該事実上の行為の全部若しくは一部を撤廃し、又はこれを変更すること

 

問3)事実行為についての審査請求に理由がある場合、処分庁以外の審査庁は、当該審査庁が処分庁の上級行政庁であるときは、処分庁に対して当該事実行為の全部または一部を撤廃すべきことを命ずるとともに、裁決でその旨を宣言する。


正解 ○

問4)事実上の行為のうち、処分庁である審査庁に審査請求をすべきとされているものについて、審査請求に理由がある場合には、審査庁は、事情裁決の場合を除き、裁決で、当該事実上の行為が違法または不当である旨を宣言するとともに、当該事実上の行為の全部もしくは一部を撤廃又は変更する。


正解 ○

不作為

● 不作為について審査請求を認容する場合


上級庁

不作為が違法または不当だと宣言し、不作為庁に対し、当該処分をすべき旨を命じることができる

不作為庁

不作為が違法または不当だと宣言し、自ら処分をすることができる

違法または不当の宣言

     処分     

上級庁

不作為庁に命じる

不作為庁

不作為も事実上の行為のときと同じです。

不作為行為をしているのでは不作為庁ですので、不作為庁は自らその処分をすることはできますが、上級庁は当該処分をすることはできず、不作為庁に命令することしかできません。


第49条(不作為についての審査請求の裁決)

1. 不作為についての審査請求が当該不作為に係る処分についての申請から相当の期間が経過しないでされたものである場合その他不適法である場合には、審査庁は、裁決で、当該審査請求を却下する。

2. 不作為についての審査請求が理由がない場合には、審査庁は、裁決で、当該審査請求を棄却する。

3. 不作為についての審査請求が理由がある場合には、審査庁は、裁決で、当該不作為が違法又は不当である旨を宣言する。この場合において、次の各号に掲げる審査庁は、当該申請に対して一定の処分をすべきものと認めるときは、当該各号に定める措置をとる。

一 不作為庁の上級行政庁である審査庁 当該不作為庁に対し、当該処分をすべき旨を命ずること。
二 不作為庁である審査庁 当該処分をすること。

4. 審査請求に係る不作為に係る処分に関し、第四十三条第一項第一号に規定する議を経るべき旨の定めがある場合において、審査庁が前項各号に定める措置をとるために必要があると認めるときは、審査庁は、当該定めに係る審議会等の議を経ることができる。

5. 前項に規定する定めがある場合のほか、審査請求に係る不作為に係る処分に関し、他の法令に関係行政機関との協議の実施その他の手続をとるべき旨の定めがある場合において、審査庁が第三項各号に定める措置をとるために必要があると認めるときは、審査庁は、当該手続をとることができる。
(裁決の方式)

 

問5)不作為についての審査請求が理由がある場合において、審査庁が不作為庁の上級行政庁である場合、審査庁は、裁決で当該不作為が違法または不当である旨を宣言するが、当該不作為庁に対し、一定の処分をすべき旨を命ずることはできない


正解 ×

上級行政庁は、不作為庁に対し、処分をすべき旨を命ずることができます。

執行停止

執行停止には、処分の効力、処分の執行、手続の続行の3種類があることを覚えておきましょう。

上級庁 処分庁

審査請求人の申立てまたは職権で、処分の効力、処分の執行又は手続の続行の全部又は一部の停止その他の措置をとることができる

その他の行政庁(上級行政庁又は処分庁のいずれでもない行政庁)

審査請求人の申立てにより、処分庁の意見を聴取した上で、執行停止と処分の効力・処分の執行・手続の続行の全部または一部の停止ができるが、その他の措置をとることはできない

  職権で  

処分の効力・処分の執行・手続続行の全部または一部の停止

 その他の措置 

上級庁

処分庁

その他の行政庁

×

処分庁の意見を聴取して〇

×

上級庁と処分庁は審査請求人の申立て以外に職権でも執行停止をすることができます。

その他の行政庁(上級行政庁又は処分庁のいずれでもない行政庁)は職権では執行停止できません。

また、処分の効力・処分の執行・手続の続行の全部または一部の停止なども執行停止も職権ではできず、その他の措置を取ることもできません。


第25条(執行停止)

1. 審査請求は、処分の効力、処分の執行又は手続の続行を妨げない

2. 処分庁の上級行政庁又は処分庁である審査庁は、必要があると認める場合には、審査請求人の申立てにより又は職権で、処分の効力、処分の執行又は手続の続行の全部又は一部の停止その他の措置(以下「執行停止」という。)をとることができる

3. 処分庁の上級行政庁又は処分庁のいずれでもない審査庁は、必要があると認める場合には、審査請求人の申立てにより、処分庁の意見を聴取した上、執行停止をすることができる。ただし、処分の効力、処分の執行又は手続の続行の全部又は一部の停止以外の措置をとることはできない

4. 前二項の規定による審査請求人の申立てがあった場合において、処分、処分の執行又は手続の続行により生ずる重大な損害を避けるために緊急の必要があると認めるときは、審査庁は、執行停止をしなければならない。ただし、公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるとき、又は本案について理由がないとみえるときは、この限りでない

ブソン
ブソン

とても重要な条文じゃ!

5. 審査庁は、前項に規定する重大な損害を生ずるか否かを判断するに当たっては、損害の回復の困難の程度を考慮するものとし、損害の性質及び程度並びに処分の内容及び性質をも勘案するものとする

6. 第2項から第4項までの場合において、処分の効力の停止は、処分の効力の停止以外の措置によって目的を達することができるときは、することができない

7. 執行停止の申立てがあったとき、又は審理員から第40条に規定する執行停止をすべき旨の意見書が提出されたときは、審査庁は、速やかに、執行停止をするかどうかを決定しなければならない

 

問6)処分庁の上級庁である審査庁は、 審査請求人の申立てによることなく職権による執行停止をすることは許されない


正解 ×

上級行政庁は、職権で執行停止ができます。

問7)処分庁である審査庁は、審査請求人の申立てにより又は職権で、処分の効力、処分の執行又は手続の続行の全部又は一部の停止その他の措置をとることができる


正解 ○

問8)審査庁が処分庁の上級行政庁である場合は、職権による執行停止が認められるが、執行停止をするときは処分庁の意見を聴取しなければならない


正解 ×

上級行政庁は、処分庁の意見を聞かずに執行停止をすることができます。

問9)処分庁の上級行政庁または処分庁のいずれでもない審査庁は、必要があると認めるときは、審査請求人の申立てによりまたは職権で、処分の効力、処分の執行または手続の続行の全部または一部の停止その他の措置をとることができる


正解 ×

その他の行政庁(上級行政庁又は処分庁のいずれでもない行政庁)は処分の効力・処分の執行・手続の続行の全部または一部などの停止職権ではできず、その他の措置も取ることができません。

まとめ

行政不服審査法の審査請求や執行停止において、「上級庁」「処分庁」「その他の行政庁(上級行政庁又は処分庁のいずれでもない行政庁)」でできることが異なります。

覚えておきたいのは、その他の行政庁(上級行政庁又は処分庁のいずれでもない行政庁)」はほとんど何もできないことと、上級庁は下級庁に対して監督権があるので、処分庁しかできないこと以外はできることになります。

とても覚えにくので、上記の図で頭に入れてしまいましょう。

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