
1級色彩コーディネーターのブソンです!
この記事では「2次試験を突破するために最低限これだけは覚えたい」という知識をまとめていあます。
色彩検定1級は、マークシート形式の1次試験と、実技形式の2次試験に分かれています。
1次試験は公式テキストをから出題されるため比較的対策がしやすいですが、2次試験はどのような問題が出題されるのか、またどのように勉強すればよいかわからない方も多いと思います。
この記事では、2次試験で最低限覚えておきたい知識を厳選し、ひとつずつ丁寧に解説していきます。

2次試験で求められる力は、大きく分けて以下の2つです。
- 📘 1〜3級までの広範な色の知識を身につけておくこと
- 🎨 カラーカードの扱いに慣れておくこと
どちらも試験本番で求められる必須スキルですので、意識して早めに対策を始めていきましょう。
📅 勉強開始の目安時期
📌 2次試験の勉強は、1次試験終了後すぐに始める!
色彩検定1級の2次試験は、1次試験の約5週間後に行われます。
2025年度冬期の日程は以下のとおりです。
- 📝 1次試験:11月9日(日)
- ✏️ 2次試験:12月14日(日)
1次試験の合否は、12月上旬頃に発表されるので、合否がわかってから2次試験までの期間は、約2週間しかありません。
2次試験の対策は、1次試験の終了直後すぐに始めるのがいいと思います。

📘 テキスト
📚 2次試験のために必要なテキストは公式テキスト1〜3級の3冊!
色彩検定1級2次試験の勉強には、1〜3級の公式テキストが必要です。出題される内容はこの3冊からとなっており、他の書籍からの出題はありません。
そのため、公式テキスト1〜3級の3冊をすべて揃え、手元に置いておくことが重要です。

📚 問題集
📖 2次試験対策の問題集売り切れる前に購入を!
市販の色彩検定1級2次試験対策の問題集の種類はとても少ないです。
その中でもおすすめは「合格のカギシリーズ 色彩検定1級2次 公式テキスト対応問題集」です。掲載されている問題の難易度はかなり高めですが、この問題集がしっかり解けるようになれば、本番の試験がとても簡単に感じるようになります。

🧰 必須道具
色彩検定1級2次試験では、実際に色を扱う実技試験が行われます。そのため、問題を解く前に必要な道具をしっかり揃えておきましょう。
🎨 カラーカード(199a)は勉強前に用意する!
2次試験では、「新配色カード199a」というカラーカードを使用します。
問題集でも使用するので、解く前に購入しておきましょう。
また、カラーカードを使って実技を行うため、次の道具も必要になります。
- ✂️ はさみ
- 🧴 のり
- 📏 定規
- ✏️ 鉛筆・シャーペン
- 🧽 消しゴム
これらは普段から使い慣れたもので構いません。試験までに何度も使って、扱いに慣れておきましょう。

📘 過去問題集
📘 過去問題集は3年分をしっかりと解く!
色彩検定協会から公式で出版されている過去問題集は、試験対策として非常に有効です。
とくに最新の3年分を解いておくと、出題傾向の把握に役立ちます。

📌 最低限覚えておきたいこと❶
サミュエルの問題集を解くときや、実際の2次試験で必要になる知識はそれほど多くありません
ここでは、必ず押さえておきたいポイントをわかりやすくまとめたので一つ一つすすめてください。

🌈 PCCSの色相環
PCCS色相は、24色相です。
この色相環は試験対策として最重要なので、しっかりと覚えておきましょう。
反対側の色相番号(補色)は「12」を足すことでわかります。たとえば「2」は「赤」、「2+12=14」は「青緑(BG)」です。

🟦 PCCSのトーン
PCCSトーン図は、試験や問題集に取り組む前にさっと余白に書けるようにしておきましょう。
S(ストロング)トーンは試験では出題されないため、覚える必要はありません。

PCCSの各トーンに対応するイメージを表す名称も覚えておきましょう。
この名称は毎年のように試験に出題されています。

あわせて、PCCSトーン図上での「純色」「明清色」「明暗色」「中間色」「無彩色」のゾーンも併せて覚えておきましょう。

💡 明度表
PCCS色番号とトーンによる「明度表」は、以前の2次試験では必須知識でしたが、最近の傾向では問われなくなってきています。
しかし、サミュエルの問題集では1問目から必要になるので、把握しておくと安心です。
明度表とは、横軸にPCCS色番号、縦軸にPCCSトーン、表内に各色の明度を数値で示したものです。

明度表には一定のルールがあります。ピンクの列とブルーの行を使って、ゾーンごとに整理すると覚えやすくなります。
ゾーン①と②では、中央の列(8番と20番)から左右対称になっています。
- 📐 ゾーン①-a:中央の列(8)から左右にいくごとに「0.5」ずつ明度が減少
- 📐 ゾーン①-b:中央の列とその隣の列(8と6と10)は明度が同じ
- 📐 ゾーン②:中央の列(20)とその隣(18と22)、さらに外側(16と24)はそれぞれ同じ明度
また、トーン別の明度も押さえておきましょう。
- 🌕 最も明度が高いのは p(ペール)トーン
- 🌑 最も明度が低いのは dkg(ダークグレイッシュ)トーン
このようにゾーンで分けて考えてみると、明度表は意外と簡単に覚えることができます。

🔄 マンセル変換
PCCS色相番号とマンセル記号の変換は、最近の試験では問題文に記載されていることが多いため、暗記の優先度はそれほど高くありません。ただし、余裕がある方はざっくりと覚えておくと安心です。
PCCS | 2 | 4 | 6 | 8 | 10 | 12 | 14 | 16 | 18 | 20 | 22 | 24 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
マンセル | 4R | 10R | 8YR | 5Y | 3GY | 3G | 5BG | 5B | 3PB | 9PB | 7P | 6RP |

🎯 配色(色相差)
重要度 ★★★★★
配色とは、2色以上の色を効果的に組み合わせることです。
PCCSでは、「色相を手がかりにする方法」と「トーンを手がかりにする方法」の2つがあります。

🧭 色相を手がかりにした配色
色相差は、色相番号の「差」か、色相環上の「角度」で捉えます。
PCCSの1色相差は、15度です。
- 🟢 同一色相配色(色相差 0 / 角度 0度)
- 🟩 隣接色相配色(色相差 1 / 角度 15度)
- 🟨 類似色相配色(色相差 2〜3 / 角度 30〜45度)
- 🟧 中差色相配色(色相差 4〜7 / 角度 60〜105度)
- 🟥 対照色相配色(色相差 8〜10 / 角度 120〜150度)
- 🔵 補色色相配色(色相差 11〜12 / 角度 165〜180度)

🧪 色相を手がかりにした配色
色相差は、色相番号の「差」か、色相環上の「角度」で捉えます。PCCSの1色相差は15度に相当します。
- 🟢 同一色相配色(色相差 0 / 角度 0度)
- 🟩 隣接色相配色(色相差 1 / 角度 15度)
- 🟨 類似色相配色(色相差 2〜3 / 角度 30〜45度)
- 🟧 中差色相配色(色相差 4〜7 / 角度 60〜105度)
- 🟥 対照色相配色(色相差 8〜10 / 角度 120〜150度)
- 🔵 補色色相配色(色相差 11〜12 / 角度 165〜180度)

🎯 トーンを手がかりにした配色
PCCSのトーン図を使って、トーン略記号の位置で把握しましょう。
同一トーン配色
同じトーン同士の組み合わせです。

類似トーン配色
隣り合うトーン同士の組み合わせです。「縦方向」「横方向」「斜め方向」があります。

対照トーン配色
PCCSのトーン図で、距離の大きく離れたトーンの組み合わせです。


「p(ペール)トーン」と「dp(ディープ)トーン」のように、明度と彩度が対照的なトーンの組み合わせもあります。
🎨 色彩調和
重要度 ★★★★★
色彩調和とは、色を組み合わせたときに美しく感じられる配色のことです。
配色と色彩調和は、色彩検定1級2次試験で毎年出題されています。
用語をしっかりと覚えて、PCCSの色相環やトーン図を活用しながら、よく出るパターンを押さえておきましょう。

🌿 ナチュラルハーモニー
PCCSの黄(8:Y)に近い色の方を明るく、青紫(20:V)に近い色の方を暗くした配色です。
色相差は、隣接色相〜類似色相の範囲で考えます。
明るさは、トーン図の上下で確認します。
黄(8:Y)に近い黄緑(10:YG)が明るいv(ビビッド)トーンに、青紫(20:V)に近い緑(12:G)が暗いdp(ディープ)トーンになっていますね。

🌗 コンプレックスハーモニー
ナチュラルハーモニーとは逆で、PCCSの黄(8:Y)に近い色の方を暗く、青紫(20:V)に近い色の方を明るくします。
色相差は、同一色相でなければ自由です。
明るさはトーン図の上下で確認します。黄(4:rO)に近い橙(10:YG)が明るいlt(ライト)トーンに、青紫(20:V)に近い青(18:B)が暗いg(グレイッシュ)トーンになっています。

🎨 ドミナントカラー
ドミナントは「支配する」という意味です。
同一色相か類似色相でまとめる配色です。トーンは自由です。

🎨 ドミナントトーン
同一トーンか類似トーンでまとめる配色です。色相は自由です。

🌀 トーンオントーン
トーンオントーンは「トーンを重ねる」という意味です。
色相は、同一色相か類似色相で、トーンは類似トーンか対照トーンにして、明度差を大きくとった配色です。
🎠 トーンイントーン
トーンイントーンは「トーンの中で」という意味です。
トーンは同一トーンか類似トーンで、色相は自由に選びましょう。

🌫 トーナル
トーナルは、中間色の配色です。
PCCSトーン図のうち、d(ダル)、sf(ソフト)、ltg(ライトグレイッシュ)、g(グレイッシュ)の4つのトーンから選びます。色相は自由に選びましょう。

🧁 カマイユ
カマイユは「単色画法」の意味で、ほとんど同じに見えるような配色です。
色相は同一または類似色相、トーンも同一または類似トーンから選びます。

🌀 フォカマイユ
「フォ」は「偽りの」という意味で、カマイユに少しだけ変化を加えた配色です。
類似色相と類似または同一トーンで構成されます。

🎨 ビコロール
「ビ」は「2色」という意味で、強いコントラストが特徴の2色配色です。
高彩度同士の対照色相配色や、明度差のある対照トーン配色、高彩度色×無彩色などが該当します。

🔺 トリコロール
トリとは「3つの」という意味です。色相やトーンに明快な3色配色のことです。
高彩度色に白や黒を加えることで、全体に明瞭感を出すことができます。

🎯 色相環の分割による配色
色相環を幾何学的に分割することで、調和のとれた配色をつくる手法です。
🎫 ダイアード(2色配色)
色相環で向かい合う2色を使う「補色色相配色」です。
色相差は「12」、つまり180度の対照関係にあります。
🎯 スプリットコンプリメンタリー(分裂補色配色)
補色の代わりに、補色の両隣にある2色を使用する3色配色です。
補色よりもやわらかい印象を与えます。
🔺 トライアド(3色配色)
色相環を正三角形になるように3分割して選んだ色の組み合わせです。
色相差はそれぞれ「8」にあたります。
🟥 テトラード(4色配色)
色相環を正方形になるように4分割して選んだ配色です。
色相差は「6」で構成されます。
🌟 ペンタード(5色配色)
本来は色相環を5等分した配色ですが、PCCSは24色相なので正五角形にはなりません。
そのため、トライアド(3色配色)に白と黒を加えた5色構成で考えることが多いです。
🔷 ヘクサード(6色配色)
色相環を正六角形になるように6分割して選んだ配色です。
色相差は「4」で構成されます。
また、テトラードに白と黒を加えた6色構成でも成立します。

🧠 ジャッドの色彩調和・四つの原理
色彩学者ジャッドが提唱した「色彩調和」の4つの原理は、2次試験でも出題されやすい重要ポイントです。
これまでに学んできた内容の整理にもなりますので、しっかり覚えておきましょう。
📐 秩序の原理
ある法則に従って整理された色の組み合わせは調和するという考え方です。
「色相環を規則的に分割する配色」(トライアド、テトラードなど)がこの原理に当たります。

🌿 なじみの原理
自然界の景色など、私たちが日常的によく目にする配色は調和しやすいという考え方です。
「ナチュラルハーモニー」や「トーンオントーン」がこの原理に当たります。

日常の風景でよく見ておる親和性のある配色です!
🔁 類似性の原理
共通点(色相やトーンなど)を持った色同士は調和しやすいという考え方です。
「同一色相配色」や「同一トーン配色」などがこの原理に該当します。

🔔 明瞭性の原理
色相や明度、彩度の違いがはっきりしていると調和しやすいという考え方です。
色相環の分割による配色の「ビコーロール」や「トリコロール」などがこれらにあたります。

📝 まとめ
色彩検定1級2次試験の対策として、今回は「これだけ覚えておけば❶」を解説しました。
- 🎨 PCCSの色相環
- 🧵 PCCSのトーンとその特徴
- 📊 明度表とその法則性
- 🔁 マンセル表記の対応
- 🧪 配色の基礎知識(色相差・トーン差)
- 🧩 色彩調和の種類と配色例
- 📚 ジャッドの色彩調和論
どれも試験に直結する重要な内容ばかりです。

続きの内容は、「これだけ覚えておけば❷」で解説しています。ぜひ続けてチェックしてください。
コメント
色彩検定二次試験用のテキスト合格の鍵シリーズ2009年発行版を買ったのですが、最新のものと大幅に違いますかね?2019を買った方がいいですか?
新井さま>
できるだけ新しいテキストを使用するのが望ましいです。色彩検定のテキストは2020年にリニューアルされています。色の知識は普遍的なものなので古いテキストでも構いせんが、去年の過去問の傾向を見て対策を練っておく必要があります。頑張ってください。応援してます!