こんばんは。 UCアドバイザーのひねもすのたり管理人のブソンです。
「ひねもすのたり 独学で!資格ブログ」は、独学で資格取得を目指していくブログです。
色彩検定UC級は、2018年冬期から新設された検定です。
UC級では、色のユニバーサルデザインの基本を学ぶことができます。
色彩検定の中でも難易度は低いので、ポイントを押さえていけば、比較的簡単に合格できます。
「色彩検定UC級 レッスン」では公式テキストに沿って、検定に合格するためのポイントを解説していきます。
では早速、色彩検定UC級の第7章「色のユニバーサルデザインの進め方」を学習していきましょう。
公式テキスト
目次
第2章 色が見えるしくみ
第3章 色の表し方
第4章 色覚異常による色の見え方
第5章 高齢者の見え方
第6章 ユニバーサルデザイン
第7章 色のユニバーサルデザインの進め方
事例集 ❶ ❷
資料集
第7章 色のユニバーサルデザインの進め方
色のユニバーサルデザインの特徴
視覚情報のわかりやすさを左右する要因の一つに、色彩があります。
けれど、色彩の見え方はすべての人が同じとは限りません(→復習)。
色覚特性を持っているエンドユーザーに確認してもらったり、シュミレーションソフトを使用してみたりという手順を踏むことが、ユニバーサルデザインの視点を持った色彩計画を進めていくで重要になります。
どんな人にも過ごしやすい社会を実現するには、デザインをする側が日々ユニバーサルデザインに意識を向けることが必要です。
そのためには、できるだけ多く問題があるデザイン事例に触れ、それに対して修正を加えていくこと、その経験を積み重ねていくことが大切です。
製作者がわかりやすいと思っていても、すべての人にそうかはわからんぞ
色の機能的役割とその配慮
色にはさまざまな機能的はたらきがあり、それは組み合わせる色によって効果が異なります。
どのように色を組み合わせると効果があるのか、また、色覚特性を持つさまざまな人たちにはどのように見えるのかを把握しておかなければなりません。
1. 視認性
対象物を注視したとき、その対象物の存在の確認のしやすさを視認性といいます
背景と対象物の明度差の大きくすると、視認性は上がり確認しやすくなります。
じっとものを見たときに、ものが存在していることがわかることじゃ
赤い実がなる植物では、背景が緑、対象物が赤になるので、1型色覚や2型色覚の人には赤い実が見つけにくい場合があります(→復習)。
2. 明視性・可読性
図形の意味の理解しやすさを明視性、文字の読みやすさを可読性といいます。
背景色と対象物の明度差の大きくすると、明視性や可読性は上がり見やすくなります。
明視性や可読性は、視認性の一種じゃ
また、セパレーションカラーを使って、文字にアウトラインを付けるのも効果的です。
3. 誘目性
対象物に注意を向けてないときの発見のされやすさを誘目性といいます。
誘目性は背景と色相に関係があり、鮮やかな暖色系の色は誘目性が高くなり発見しやすくなります。
人の目を引きつける度合いのことじゃ
赤を使用した場合、1型色覚の人には赤が暗く見えるので(→復習)、効果が感じられない場合があります。
赤は、危険や注意を促すときに使用する場合が多いので、命に関わる可能性があります。
4. 識別性
複数の対象物に対して、その形状や色の特性による区別のしやすさを識別性といいます。
識別性は色の違いを色名で言い表せる組み合わせであれば有効です。
色が似すぎていると、逆に識別しにくいからのぉ
1型色覚や2型色覚の人には、「赤と緑」「黄と黄緑」「暗い緑と茶色」「茶色と赤」「青と青紫」などは識別が難しくなります。また、高齢者には「白と黄」「黒と青」などの組み合わせが識別が困難です。
5. 意味性・記号性
色彩が感情に及ぼす影響を色の感情効果といいます。
色によって引き起こされる効果は異なりますが、その効果は多くの人に共通しています。
たとえば、赤は「危険」、黄は「注意」、青は「安全」といったことじゃ
色を記号として用いる場合、色覚特性のある人には色が何かわからないと何を意味を示してるかわからない場合があります。
色のユニバーサルデザインの手順
基本的な色のユニバーサルデザインを設計する手順です。
作成した設計案が、正常色覚の人にも色覚特性のある人にも有効に伝わるように、確認→修正を繰り返し、吟味します。
1. 条件の整理
対象物をどのような人が使用するのか、また、どのような環境や場所で使用されるのかなどの条件を整理。
また、ユーザーの要望や問題点などを調査する場合もある。
2. 基本方針の設定
対象物を情報伝達のために使用するのか、印象を演出するために使用するのかを決め、それらの効果を高めるために、色、形、書体、素材、仕上げなどをどのようにするか、基本的な指針を決める。
情報伝達のために使用する場合は、安全性に関わる場合があるぞ!
3. 設計案の作成
どんな色覚特性を持った人にも情報が伝わるよう配慮して、設計案を作成する。
色以外にも形や模様を工夫したり、文字を添えるなどの色だけで伝える以外の方法も含めて検討し、多くの人に情報が正確に伝わるよう設計案を作成する。
ユニバーサルデザインの考え方に沿って案を練るのじゃ
4. 有効性のチェック
作成した設計案を、シュミレーションソフトやシュミレーションメガネなどを用いてチェックする。
当事者である色覚異常の人や高齢者、ロービジョン、子どもや日本語のわからない海外の方に確認してもらうのが望ましい。
しっかり確認をしないと設計した意味がないぞ
5. デザインの修正
チェックの結果、問題があれば、3. 設計案の作成に戻り、修正をする。
問題をどう解決するのかが腕の見せ所じゃ
6. 完成
4. 有効性のチェック→ 5. デザインの修正を繰り返し、問題がなくなれば、完了。
PDCA(計画・実行・評価・改善)をぐるぐると回すのじゃ
多様な色覚特性を理解し、それぞれの見え方の特徴、設計案作成時のポイント、チェック方法を身に付けることが大事です。
設計と修正のポイント
3. 設計案の作成、5. デザインの修正のポイントです。
1. 多くの人が区別しやすい色を用いる
① 色の明度差をつける
文字や図などの表示は明るい色と暗い色の組み合わせにして、背景と表示の色に明度差をつける。
情報伝達を高める方法をして、正常色覚、色覚異常、高齢者、ロービジョンを問わず、あらゆる人に有効です。
明度差をつけると視認性や可読性が上がり、遠くからでも認識しやすくなるぞ
② 文字にアウトライン・背景と図に境界線を入れる
背景と文字、背景と図にあまり明度差のない場合に、明度の異なる色のアウトラインや境界性を入れるとわかりやすくなります。
アウトラインに、明度差をつけるとよりわかりやすくなるぞ
③色の彩度差をつける
鮮やかな色と無彩色の組み合わせにように、彩度差が大きいと区別しやすくなります。
低彩度同士の組み合わせは、鮮やかな色の組み合わせより区別しにくくなるため避けるようにする。
彩度が違っても明度が近いと区別しにくくなるぞ
④区別しにくい色系統の組み合わせを避ける
色覚特性を持っている人や高齢者が区別しにくい色の組み合わせを避ける。
⑤微妙な色の差にも配慮する
色相、明度、彩度のわずかな違いまで吟味して、さまざまな色覚特性を持つ人に区別しやすい色を検討します。
色覚特性を持っている人には、ピンクと水色は区別しづらいですが、ピンクを黄みのピンクにすると区別しやすくなります。
2. 色以外の要素を活用する
①サイズを大きくする、文字を太くする
②形を変える
③異なるハッチング(地模様)を入れる
④文字や番号を付ける、アンダーラインを加える
3. 色名をつける
色の区別がつかない場合でも、色名が文字で添えられていれば容易に判別できます。
色鉛筆やカラーマーカーペンの本体にも、色名が書かれるようになってきたぞ
チェックの方法
4. 有効性のチェックの方法です。
1. 画像の白黒化
色味の情報をなくしてチェックする。
色覚特性に関わらず、明度差があれば対象は見つけやすく、読みやすく、識別しやすくなります。
2. シュミレーションソフト
パソコン上で、色覚異常や高齢者の色覚・視覚特性をシュミレーションできるソフトやアプリを利用して、区別しにくい色の組み合わせがないかチェックします。
今はさまざまなソフトやアプリでシュミレーションできるようになっておるぞ
3. 色覚シュミレーション・モニター画面
液晶モニターには、機能として色覚異常や高齢者の色覚・視覚特性をシュミレーションできるものもあります。
ソフトではなく、ハードにもシュミレーション機能がついておるものがあるぞ
4. フィルター(メガネ)
1型や2型の色覚特性をシュミレートしたフィルター(メガネ)があります。
また高齢者による水晶体の黄変を模したゴーグルも作られています。
出典:色弱模擬フィルタ「バリアントール」| 伊藤光学工業株式会社
屋外や室内などさまざまな場面でチェックできるので、メガネは便利じゃな
5. 当事者に確認してもらう
一番効果的なのは、さまざまな色覚特性を持つ人、高齢者、正常色覚の人に確認してもらい、意見をもらうことが理想です。
これが一番確実じゃが、さまざまな色覚特性を持つ人を集めるのも大変じゃ
まとめ
「第7章 色のユニバーサルデザインの進め方」は、今までに学んだユニバーサルデザインの考え方に沿った色彩計画の進め方についてです。
色彩検定UC級は、色彩検定2級のテキストと合わせて勉強すると、もっと詳しく学ぶことができます。