こんばんは。 1級カラーコーディネーターおよび1級色彩コーディネーターのひねもすのたり管理人のブソンです。
「ひねもすのたり 独学で!資格ブログ」は、独学で資格取得を目指していくブログです。
色に関するの資格の中でよく比較されるのが、色彩検定とカラーコーディネーター検定です。
どちらも基本から実践的な色彩の知識までを学ぶことができる資格ですが、どちらの検定を受ければいいのか迷う人もいるかと思います。
2020年度から、色彩検定はテキストがリニューアルされ、カラーコーディネーター検定はテキストを含む検定自体が大幅にリニューアルされました。
また、2021年度からカラーコーディネーター検定はペーパー試験がなくなり、パソコンで受験するIBT試験とCBT試験になりました。
色彩検定のリニューアルは、テキストの内容の重複や無駄を省くことを重点を置いていて、使いやすいようにテキストサイズも小さくなりました。
カラーコーディネーター検定のリニューアルは、テキストの大幅な斬新だけではなく、今までの1〜3級の3階級からスタンダードクラス・アドバンスクラスの2階級の変更といった仕組みの部分までに及んでいます。
カラーチャートも商工会議所独自のCCICからPCCSに変更(色彩検定と同じ)され、受験者数で大きく水を開けられている色彩検定にすり寄る形となっています。
色彩検定とカラーコーディネーター検定の違いと、両方の資格の取得を考えている方への効率的な受験の方法について書いていきますので、参考にしてください。
2020年度から色彩検定とカラーコーディネーター検定ともにリニューアルじゃ!
比較
色彩検定とカラーコーディネーター検定のどちらにも幅広い分野からの受験者がいます。
それぞれ少しずつ特徴や難易度が違いますので、比較してみましょう。
受験者の業種
どんな人たちが受験しているのか、受験者の業種の比較です。
色彩検定
色彩検定の受験者は学生が多く若者に人気じゃ!
カラーコーディネーター検定
出典|東京商工会議所
カラーコーディネーター検定の受験者はどちらかというと社会人向けじゃ!
僕が受験した印象では、色彩検定は10〜20代が多く、カラーコーディネーター検定は20〜40代前半の人が多かったです。
色彩検定はアパレルなどのファッション系・美容師やヘアメイクなどの美容系を目指す専門学校生などの学生が多く、カラーコーディネーター検定はメーカーや建築系・プロダクトデザインや広告系の専門的な分野に就職を希望する大学生が多く受験しています。
色彩検定はもともとファッションカラーコーディネーター検定試験という名前だったこともありファッション分野に強く、カラーコーディネーター検定は試験内容から工業分野に強いとされてきました。
今ではその区別は薄れていて、両検定とも色に関する基本的な知識から実践的な色彩の活用まで幅広く学ぶことができます。
色彩検定は文部科学省が後援していることも人気の理由の一つ!
試験要項
次に試験要項の比較です。
色彩検定は試験会場でのペーパー試験、カラーコーディネーター検定は自宅や会社から受験できるIBT試験または試験会場でのCBT試験です。
色彩検定 |
カラーコーディネーター検定 |
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主催団体 |
色彩検定協会 | 東京商工会議所 | ||
受験資格 |
制限なし。何級からでも受験可能 | 制限なし。どのクラスからでも受験可能 | ||
スケジュール |
UC級 |
夏期 6月
冬期 11月 |
スタンダードクラス | 6月末~7月上旬
10月末~11月上旬 |
3級 |
夏期 6月
冬期 11月 |
|||
2級 |
夏期 6月
冬期 11月 |
アドバンスクラス | 6月末~7月上旬
10月末~11月上旬 |
|
1級 |
冬期 1次試験 11月
2次試験 12月 |
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併願可能 |
併願可能 |
|||
受験時間 |
UC級 |
60分 | スタンダードクラス | 90分 |
3級 |
70分 | |||
2級 |
80分 | アドバンスクラス | 90分 | |
1級 |
1次試験 90分
2次試験 90分 |
|||
試験方式 |
UC級 |
マークシート方式+記述式 | スタンダードクラス | 多肢選択式 |
3級 |
マークシート方式 | |||
2級 |
マークシート方式+記述式 | アドバンスクラス | 多肢選択式 | |
1級 |
1次試験 マークシート方式+記述式
2次試験 記述方式(一部実技) |
|||
合格ライン |
各級満点の70%前後。問題の難易度により多少変動 | 100点満点。各級70点以上で合格 | ||
検定料 |
UC級 |
6,000円 | スタンダードクラス | 5,500円※CBT試験は別途2,200 円 |
3級 |
7,000円 | |||
2級 |
10,000円 | アドバンスクラス | 7,700円※CBT試験は別途2,200 円 | |
1級 |
15,000円 ※1次免除者も同じ |
(すべて税込み)
色彩検定はペーパーテスト、カラーコーディネーター検定はウェブ試験じゃ!
色彩検定1級の試験は、年に一度しか実施されません。
上級を目指す場合には、併願する方法と、実施回を続けて受験する方法の2つがあります。
どちらとも前級の内容がベースになっていたり、内容が重複している場合にとても有効な受験方法です。
色彩検定2級を受験する方で、1級までの取得を目指している場合は夏期(6月)に受験する方がいいでしょう。
色彩検定2級を冬期に受験してしまうと、次の年の冬期まで色彩検定1級を受験できんぞ!
カラーコーディネーター検定はスタンダードクラスとアドバンスクラスともに年2回実施されるので、受験タイミングに注意する必要はありません。
色彩検定2級は、夏期(6月)に受験する
カラーコーディネーター検定は、好きなタイミングで受験する
テキスト料
検定料は色彩検定の方が高く、公式テキストはカラーコーディネーター検定の方が高くなっています。
(すべて税込み)
色彩検定には公式問題集はありませんが、過去問題集が発売されています。
カラーコーディネーター検定は、練習問題集が発売されています。
公式テキストを選ぶことが合格の近道じゃ!
試験範囲
出題範囲の比較です。
色彩検定 |
カラーコーディネーター検定 |
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UC級
●色のユニバーサルデザイン ●色が見えるしくみ ●色の表し方 ●色覚のタイプによる色の見え方 ●高齢者の見え方 ●色のUDの進め方 ●資料 |
スタンダードクラス
●生活と色の効用 ・色の効用 ・色の違いで気分が変わる ・色の基礎事項 ●色を自在に操る方法 ・色の分類 ・色の表示方法 ・色名と名前のつけ方 ・PCCS—色を操り、記録し、伝える手法 ・マンセル表色系ー色彩のプロが使う 正確な色の伝え方 ●きれいな配色をつくる ・配色を知る ・配色を使いこなす ●色を美しく見せる光のマジック ・光から色が生まれるしくみ ・光から生まれる色の世界 ●背景色を上手に使って色の見えを変えてみよう ・色の見えを左右する基礎事項と色使いのポイント ・色の効果を活用するために ●色で売り上げをアップするために ・消費者が選択する色とは ・消費者に受け入れられる色を生み出すために |
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3級
●光と色 ・色はなぜ見えるのか ・眼のしくみ ・照明と色の見え方 ・混色 ●色の表示 ・色の分類と三属性 ・PCCS ●色彩心理 ・色の心理効果 ・色の視覚効果 ●色彩調和 ・配色の基本的な考え方 ・色相を手がかりにした配色 ・トーンを手がかりにした配色 ・色相とトーンを組みあわせた配色 ・配色の基本的な技法 ・配色演習の解答例と解説 ●配色イメージ ・色の三属性と配色イメージ ●ファッション ・ファッションと色彩 ●インテリア ・インテリアと色彩 ・インテリアのカラーコーディネーション ・インテリアにおける色の心理的効果 ●慣用色名 ・和色名 ・外来色名 |
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2級
●色のユニバーサルデザイン ・のはたらき ・色のユニバーサルデザイン ・色覚説 ●光と色 ・光の性質と色 ・視覚系の構造と色 ・照明 ●色の表示 ・マンセル表色系 ●色彩心理 ・の視覚効果 ・色の心理効果 ●色彩調和 ・配色と調和 ・自然の秩序からの色彩調和 ・自然から学ぶ配色 ・配色技法 ・配色演習の解答例と解説 ●配色イメージ ・イメージ別配色法 ●ビジュアル ・ビジュアルデザインの色彩 ・メディアデザインの色彩 ●ファッション ・ファッションの色彩と配色 ●住空間のインテリアと色彩 ・住空間のインテリアとは ・住空間のインテリアカラーコーディネーション ・住空間におけるインテリアの配色構成 ・インテリアスタイルと色彩 ●景観色彩 ・景観と色彩 ・地域の気候風土がつくり出す景観色彩 ・景観色彩における色彩の基礎知識 ・生活環境における景観色彩設計 ●慣用色名 ・和色名 ・外来色名 |
アドバンスクラス
●カラーコーディネーターの実務 ・カラーコーディネーターの実務とは何か? ●色の見えの多様性とユニバーサルデザイン ・色の見えの多様性 ・カラーユニバーサルデザインの考え方 ●色を作り、形をつくる ー 色材、混色から画像へ ・色をつくる ・形をつくる ●色彩と照明計画 ・人工光源の照明と分光分布 ・照明の明るさと色、そして見え方 ●表色系と測色方法 および色彩管理の手法 ・CIE表色系 ・色差の表示方法 ・色の測色方法 ・色彩管理 ●安全色彩 ・視認性・誘目性・識別性に配慮した安全色 ●製品の色彩調査手法ー色彩分析と心理評価 ・色彩分析と心理評価 ●まざまな配色用語と実際 ・配色の構成要素 ・色彩調和と配色用語 ●ファッションカラーと色彩計画の諸条件 ・ファッションビジネス ・ファッションにおける色彩業務 ●メイクアップ製品の色彩設計 ・管理とカラーコーディネーション ・メイクアップ製品の色彩 ・メイクアップ製品の色を創る ・メイクアップ製品の色を選び、コーディネートする ●インテリア製品の色彩の特徴と カラーコーディネーション ・インテリア製品の色彩の特徴 ・インテリアにおけるカラーコーディネーション ●プロダクツ製品の色彩的特徴 ・プロダクツにおける色彩の魅力と流行の関係 ・プロダクツのカラーデザイン ー 実例とその考え方 ●環境色彩 ・建築デザインにおける色彩デザインの考え方 ●効果的なプレゼンテーションを生み出す カラーコーディネーション技術 ・ビジュアルコミュニケーションとスライド制作 ・グラフィックにおけるカラーコーディネーション ●近現代のデザインとカラーの歴史 ・19世紀末から20世紀初頭にかけてのデザイン ・抽象・前衛、アールデコ、モダンデザイン ・価値観の転換、ポストモダン、 ニーズへの対応、創造と調和 ●ファッションカラーの変遷と時代背景 ・所有することがステータスだった時代の色彩 ・生産者主導型から生活者主導型の市場へと 変わっていく時代の色彩 ・多様化、複雑化した時代の色彩 |
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1級
●色彩と文化 ・西洋の色彩と文化 ・日本の色彩と文化 ●色彩調和論 色彩調和論とは ●光と色 ・心理的な見えによる色の分類 ・照明 ・混色 ●色の表示 ・CIE XYZ表色系 ・均等色空間とLab色空間 ・オストワルト表色系 ・NCS ●測色 ・表色値 ・視感測色 ・物理測色 ●色彩心理 ・心理評価法 ・色の心理的効果 ・色知覚の複雑性 ●色彩とビジネス ・色彩のビジネス活用 ・カラーコミュニケーションツールの役割 ・コンシューマプロダクツの ビジネスプロセスと色彩 ・カラーマーケティング ・CMF ●ファッション ・ファッションカラーの変遷 ・ファッションビジネスにおける カラーコーディネーターの役割について ・素材の知識 ・ビジュアルマーチャンダイジングと色彩 ●景観色彩 ・景観法とは ・景観計画における色彩基準 ・近景・中景・遠景を踏まえた色彩計画 ●資料 ・色彩心理 ・色名 |
色彩検定よりカラーコーディネーター検定の方が範囲が広くなっています。
それぞれ何を学ぶことができるのかを確認しておくのじゃ!
合格率
色彩検定とカラーコーディネーター検定との合格率の比較です。
色彩検定(2021) |
カラーコーディネーター検定(2022) |
|||
受験者数 |
3級 |
33,278人 |
スタンダードクラス |
5,917人 |
合格率 |
76.8% |
80.2% |
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受験者数 |
2級 |
18,886人 |
アドバンスクラス |
2,060人 |
合格率 |
77.9% |
60.7% |
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受験者数 |
1級 |
2,302人(1次2次合計) |
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合格率 |
52.7%(1次2次合計) |
2020年のリニューアルで難易度がぐんと近づいたぞ!
スタンダードクラスと色彩検定2・3級が同じくらい、アドバンスクラスは色彩検定1級と同じくらいの合格率になっています。
注目すべきなのは、受験者の数です。
カラーコーディネーター検定よりも色彩検定の方が圧倒的に多いです。
学校や専門学校などが生徒の分をまとめて申請をしていることもあると思いますが、一般的な色の知識を広く浅く学ぶことができ、試験が比較的容易で合格率が高めなこともその理由だと思います。
2020年のカラーコーディネーター検定のリニューアルは、この点を是正し、受験者数を増やすことが目的だと思いますが、2019年度よりさらに受験者が減ってしまうという結果になりました。
難易度ランキング
色彩検定とカラーコーディネーター検定のそれぞれの級(クラス)の難易度の比較です。
どの試験のどの級を目指すのか、確認しておくのじゃ!
どちらを選ぶ?
色彩検定とカラーコーディネーター検定のどちらも、受験者の年齢層や業種は幅広く、アパレル、ファッション、インテリア、グラフィックなどのデザイナーから、製造や建築業といった業種、販売、企画、事務などの職種までと幅広い職種で受け入れられています。
これはあらゆるモノに色がある証拠で、それらに関わるすべての人が受験対象となっているからです。
色彩検定とカラーコーディネーター検定のどちらを選ぶかは、どのくらい上級を目指すかどうかによって変わってきます。
とりあえず色に関する資格を何か一つ取得したいのなら色彩検定3級を取得しましょう。
とくにユニバーサルカラーについて学びたいのであれば、色彩検定3級よりも易しい色彩検定UC級から受験するという選択肢もあります。比較的短時間で取得でき、一般的な色の知識を身に付けることができます。
色彩検定とカラーコーディネーター検定の両方を取得したい、しかもできるだけ上級を目指したいという方は、カラーコーディネーター検定スタンダードクラスから始めることをおすすめします。
スタンダードクラスの知識があれば、内容が重複している色彩検定2級までは比較的容易に取得できます。
色彩検定はうまく階段式になっており、下級から上級へのステップアップがしやすいです。
カラーコーディネーター検定は2クラス制になった分、上級との難易度の差が顕著になりました。
色彩検定を学んだ後にカラーコーディネーター検定を受験すると少し難しく感じるかもしれません。
どちらを取得しても色の知識を身につけることができますが、色彩検定の方がより実践的で楽しく学ぶことができます。
色彩検定とカラーコーディネーター検定の両方を取得したい、また上級を目指したいという方は、カラーコーディネーター検定スタンダードクラス 色彩検定3級・色彩検定2級の順で受験する
ゴールをしっかりと見据えるのじゃ!
色の勉強を始めるなら、スタンダードクラスから勉強を始めて、色彩検定2・3級まで一気に取得してしまいましょう。
この3つの資格を取得するだけで、今までと見える景色は変わるはずです。
● カラーコーディネーター検定スタンダードクラスを勉強するならこちら
● 色彩検定3級を勉強するならこちら
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