こんばんは。 1級カラーコーディネーターのひねもすのたり管理人のブソンです。
「ひねもすのたり 独学で!資格ブログ」は、独学で資格取得を目指していくブログです。
カラーコーディネーター検定レッスンでは、スタンダードクラスに合格するためのポイントを解説していきます。
今回は、Chapter1「生活と色の効用」から、色が見えるまで(物体色・光源色)についてです。
目 次
Chapter1「生活と色の効用」
●誘目性・視認性・識別性 ●力量性・活動性・評価性 ●物体色・光源色
Chapter2「色を自在に操る方法」
●色の三属性・色立体 ●表色系・カラーオーダーシステム ●系統色名・慣用色名 ●マンセル表色系 ●PCCS
Chapter3「きれいな配色を作る」
●色相・明度・彩度 ●有彩色同士の配色 ●多色配列・面積バランス
Chapter4「色を美しく見せる光のマジック」
●反射・透過・吸収 ●混色 ●分散・散乱・干渉 ●演色性・色の恒常性
Chapter5「背景色を上手に使って色の見えを変えてみよう」
●眼の構造 ●眼から脳へ ●対比効果 ●同化効果 ●膨張収縮感・軽重感・寒暖感
Chapter6「色の売り上げをアップするために」
公式テキスト
その他テキスト&問題集
Chapter1「生活と色の効用」
色を見るためには、光と物と眼が必要です。
それぞれの状態が少しでも変わると、同じように色を見ることはできません。
また、まったく同じ条件でも心理現象によって違う色に見えることもあります。
物体色と光源色
色には、物体色と光源色があります。
物体色とは、身の回りにある物の色のことです。
物体色には、不透明色と透明色があります。
光源色とは、物の色ではなく、光源そのものの色です。
たとえば、太陽の光などの自然光源や電球、蛍光灯などの人工光源ことです。
物体色は、光がないと真っ黒になって色の区別が付きません。
また、目を閉じても何も見えません。
色は、光が物体に当たり、反射(または透過)した光を眼で見ることで見えています。
光とは
太陽の光や蛍光灯などの白い光のことを白色光と言います。
白色光には、虹色のすべての色が含まれていて、それらが混じり合うことで白い光に見えています。
赤く見える物体は、白色光のうち赤い光だけがその物体の表面で反射されて目に入ることで赤く見えています。
また、ワインなどの赤色は、白色光のうち赤い光だけがその物体を透過して目に入ることで赤く見えています。
このように物体の色は、反射された色や透過された光の色によって決まります。
物体に色が付いているわけではないぞ!
光は、電磁波です。
電磁波のうち、380nm〜780nmの範囲の波長だけが見ることができ、それを可視光線と呼びます。
可視光線は、波長の短い方から順に、菫→藍→青→緑→黄→橙→赤へと変化します。
可視光線の範囲外の紫外線や赤外線は目で見ることができんぞ!
色を計測するには
物の色の見えを揃えるには、光と眼を一致させなければいけません。
色を計測する際に使用する光は国際的に決められていて、標準イルミナント(D65)と呼んでいます。
また眼の特性にも国際的に決められた値があり、それを持つと仮想した観測者のことを標準観測者と呼びます。
このように同じように色を見るには、光と眼の特性の基準値を定めておき、色の計測値を算出することで、どんな人にも同じように見えるように色の調整することが必要です。
色の伝達方法
色を記録する方法は、精度の低い方から大きく次の3つがあります。
❶ 色名による方法
❷ 色の三属性による方法
❸ 光の三原色による方法
❶の色名で伝達できる色数は数百色程度で、日常会話などで使用されています。
❷の色の三属性で伝達できる色数は数千色で、多くの工業分野で使用されています。
色の三原色とは、色相、彩度、明度のことです。
❸の光の三原色で伝達できる色数は数百万色で、製品の色を正確に管理、再現するために使用されています。
光の三原色とは、RGB(赤・緑・青)のことです。
心理的現象
光と物と眼が同じであっても、違った色に見えることがあります。
色は最終的に、私たちの心理が反映されて見えているからです。
色の心理的現象には、対比効果、同化効果、面積効果、色の恒常性などがあります。
対比効果とは、2種類以上の違った味を混ぜ合わせた時に、どちらか一つあるいは両方の味が強く感じる現象の事を言い、色相対比、彩度対比、明度対比などがあります。
同じグレーでも、背景が黒の場合と白の場合では黒を背景にした方が明るく見える。これを色相対比と呼ぶぞ!
同化効果とは、ある色が他の色に囲まれるとき、囲まれた色が周囲の色に近づいて見える現象のことです。
ミカンはよく橙色の網に入れられている。色を鮮やかに見せる効果があるぞ!
面積効果とは、同じ色でも面積の大きさによって色が明るく見えたり、暗く見えたりする現象のことです。
同じ色でも、広い面積の場合は明るく見えるので少し濃い色にした方がいいぞ!
色の恒常性とは、照明光の条件が変わってもその照明光の色に引きずられることなく、同じ物体は安定して同じ色として知覚される現象のことです。
白い紙は、朝に見ても、夕陽に照らされた夕方に見ても同じ色に見えるぞ!
今は言葉だけ覚えておきましょう。
色は物理と心理で見えている
これまで通り、色は光が物から反射して(物を透過して)眼に入ることで見えています。
目に入った後は、脳に信号が送られ、それを感知することで初めて色として感知されます。
光が目に入るまでを物理的現象といい、眼に入った後のことを心理的現象といいます。
色は、物理と心理の両者が関わって初めて色として見えることを覚えておきましょう。
もし色が違って見えるときは、物理的現象と心理的現象のどちらが違っているのかを考えることじゃ!
まとめ
色を見るためには、光と物と眼が必要です。
どれかが一つでも違うと同じように見ることはできません。
また、光と物と眼が一致しても同じように見えないこともあることを覚えておきましょう。