こんばんは。 1級カラーコーディネーターのひねもすのたり管理人のブソンです。
「ひねもすのたり 独学で!資格ブログ」は、独学で資格取得を目指していくブログです。
カラーコーディネーター検定レッスンでは、スタンダードクラスに合格するためのポイントを解説していきます。
今回は、Chapter2「色を自在に操る方法」から、マンセル表色系についてです。
目 次
Chapter1「生活と色の効用」
●誘目性・視認性・識別性 ●力量性・活動性・評価性 ●物体色・光源色
Chapter2「色を自在に操る方法」
●色の三属性・色立体 ●表色系・カラーオーダーシステム ●系統色名・慣用色名 ●マンセル表色系 ●PCCS
Chapter3「きれいな配色を作る」
●色相・明度・彩度 ●有彩色同士の配色 ●多色配列・面積バランス
Chapter4「色を美しく見せる光のマジック」
●反射・透過・吸収 ●混色 ●分散・散乱・干渉 ●演色性・色の恒常性
Chapter5「背景色を上手に使って色の見えを変えてみよう」
●眼の構造 ●眼から脳へ ●対比効果 ●同化効果 ●膨張収縮感・軽重感・寒暖感
Chapter6「色の売り上げをアップするために」
公式テキスト
その他テキスト&問題集
Chapter2「色を自在に操る方法」
マンセル表色系は、色を数値で表すものさしとして機能に優れた代表的なカラーオーダーシステムの一つです。
カラーコーディネーター検定では、マンセル表色系とPCCSの2つのカラーオーダーシステムを主に勉強します。
まずはマンセル表色系じゃ!
マンセル表色系
マンセル表色系は、アメリカの画家アルバート・マンセルが1905年に公表したものです。
後にアメリカ光学会が修正を加え、1943年に修正マンセル表色系として発表されました。
日本もJIS「色の表示方法ー三属性による表示(JIS Z 8721)」に採用していて、JIS標準色表も用意されています。
色立体
マンセル表色系の色立体は、色相(hue:ヒュー)、明度(value:バリュー)、彩度(chroma:クロマ)の三属性をものさしとして構成されています。
三次元空間上に、色相、明度、彩度の三属性の位置づけにより体系的に色を示した立体を色立体といいます。
色立体の中心にある軸を無彩色の軸といい、明度を表しています。
無彩色の軸に対して垂直に交わる円周は、角度ごとにそれぞれ異なった色相を表しています。
彩度は、無彩色の軸からの各色相の純色(一番鮮やかな色)までの距離で表され、無彩色の軸から離れるほど高彩度になっています。
マンセル表色系は、色相によって最高彩度が異なるため上から見た形はきれいな正円になりません。
また、色相ごとに純色の明度も異なるため、横から見た色立体も非対称で歪な形になります。
三属性
マンセル表色系の三属性(色相、明度、彩度)は、それぞれ見た目に均等(知覚的等歩度)になるよう尺度化されています。
色相(hue:ヒュー)
マンセル表色系の色相は「H(hue:ヒュー)」で表示し、基本の10色相を決め、それぞれを10等分して合計100色相を定めています。
基本10色相とは、主要色相の「赤」「黄」「緑」「青」「紫」の5つと、それらの中間色にあたる「黄赤」「黄緑」「青緑」「青紫」「赤紫」の5つの合計10色です。
それぞれの色名の英名頭文字を略号とし、色相環上に時計回りで「赤(R)」→「黄赤(YR)」→「黄(Y)」→「黄緑(GY)」→「緑(G)」→「青緑(BG)」→「青(B)」→「青紫(PB)」→「紫(P)」→「赤紫(RP)」の順で配置します。
また、それぞれの色相をさらに細かく10等分するので、たとえば「赤(R)」は「1R」から「10R」に分けることができます。
この分けられた10色中で「5」のつく色相がその色相の代表色になります。
「赤(R)」の代表色は、「5R」になります。
マンセル表色系の色相は合計100色相じゃ!
明度(value:バリュー)
マンセル表色系の明度は「V(value:バリュー)」で表します。
光を100%吸収する理想的な黒の明度を0、光を100%反射する理想的な白の明度を100とし、その間に見た目に均等(知覚的等歩度)になるよう9段階の灰色を配置し、白と黒を加えて11段階の基準を定めています。
マンセル表色系では、色相ごとに純色(一番鮮やかな色)の明度は異なります。
赤(R)と緑(G)は、同じ純色でも明度が違うぞ!
彩度(chroma:クロマ)
マンセル表色系の彩度は「C(chroma:クロマ)」で表します。
彩度は、無彩色(無彩色の軸)の彩度を0とし、無彩色からの距離で鮮やかさが増すよう数値が変化していきます。
マンセル表色系では、色相によって最高彩度は異なります。
青紫(PB)の最高彩度は12、黄(Y)は14じゃ!
表示方法
マンセル表色系による色の表示は、色相(H )→ 明度(V )→ 彩度(C )の順で表記します。
このとき、明度(V )と彩度(C )の間はスラッシュで区切って、「HV/C 」の形で表示します。
たとえば、色相が「8YR」、明度が「7.5」、彩度が「13」の「あざやかな赤みの黄」であれば「8YR 7.5/13」と表示します。
これをマンセル表記と呼びます。
慣用色名「マリーゴールド」 → 系統色名「あざやかな赤みの黄(vv-rY)」 → マンセル記号「8YR 7.5/13」
無彩色の場合は、色相と彩度がないので、明度(V )の前に無彩色を表すN (ニュートラル)を添えて「NV 」の形で表示します。
たとえば、明度「6.5」の「明るい灰色」であれば「N6.5」と表示します。
慣用色名「銀鼠」 → 系統色名「明るい灰色(ltGy)」 → マンセル記号「N6.5」
練習問題)マンセル表色系の色相は、たとえば、赤を例にとると、代表色相は5Rであり、[ ア ]はかなり黄赤よりの赤であるといったように、数字と英名略記号の組み合わせで表す。 マンセル表色系では、色相、明度、彩度それぞれの表示値を、[ イ ]の形で表示する。
答え)[ ア ]10R [ イ ]HV/C
まとめ
マンセル表色系は、色相(hue:ヒュー)、明度(value:バリュー)、彩度(chroma:クロマ)の三属性を尺度として構成されています。
三属性と色立体の関係と、マンセル表記での表示方法をしっかり押さえておきましょう。