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📜【行政手続法】申請に対する処分と不利益処分の違いとは?

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ブソン
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行政書士試験合格者のブソンです!

行政手続法の処分には、申請に対する処分と不利益処分があります。

試験では、それぞれの違いを細かく聞かれることが多く、混乱しやすいポイントです。

そこで今回は、両者の違いをひと目で把握できるように比較表を用意しました。

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📊 申請に対する処分と不利益処分の比較

早速、申請に対する処分と不利益処分の比較表を見てみましょう。

よく出題されるのは、1. 基準、2. 標準処理時間、3. 処分理由の提示、4. 公聴会、5. 意見陳述(聴聞・弁明)の5つです。

順番に一つずつ見ていきましょう。

項目 申請に対する処分 不利益処分
1.基準を定める義務 ×
2.標準処理時間 ×
3.処分理由の提示
4.公聴会 ×
5.意見陳述(聴聞・弁明) ×

1.基準を定める義務

申請に対する処分の審査基準は必ず定めて公にしておかなければいけませんが(法定義務)、不利益処分の処分基準は定めることも公にしておく義務もありません(努力義務)

申請に対する処分

📜 第5条1

行政庁は、審査基準を定めるものとする。

📜 第5条3

行政庁は、行政上特別の支障があるときを除き、法令により申請の提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適当な方法により審査基準を公にしておかなければならない。

不利益処分

📜 第12条

行政庁は、処分基準を定め、かつ、これを公にしておくよう努めなければならない。

📘 問)

行政手続法は、申請に対する処分の審査基準については、 行政庁がこれを定めるよう努めるべきものとしているのに対し、不利益処分の処分基準については、行政庁がこれを定めなければならないものとしている

✅ 正解:×

2.標準処理時間

申請に対する処分の場合は、申請から処分までの標準的な期間を定めるよう努め(努力義務)、定めたときは公にしておかなければいけません。不利益処分の場合は、標準処理時間を定める必要はありません。

申請に対する処分

📜 第6条

行政庁は、申請がその事務所に到達してから当該申請に対する処分をするまでに通常要すべき標準的な期間を定めるよう努めるとともに、これを定めたときは、これらの当該申請の提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適当な方法により公にしておかなければならない。

不利益処分

なし

📘 問)

申請に対する処分について、申請がその事務所に到達してから当該申請に対する処分をするまでに通常要すべき標準的な期間を定めることは、担当行政庁の努力義務にとどまり、義務とはされていない

✅ 正解:○

3. 処分理由の提示

申請に対する処分の場合も、不利益処分の場合も処分と同時に理由の提示をしなくてはいけません。
不利益処分の場合は、処分をすべき差し迫った必要がある場合は示さなくてもいいとの例外がありますが、処分後相当の期間内に示さなければいけません。
申請に対する処分の場合も、不利益処分の場合も、処分を書面でするときは書面で理由を示さなければいけません。

申請に対する処分

📜 第8条

第8条1 行政庁は、申請により求められた許認可等を拒否する処分をする場合は、申請者に対し、同時に、当該処分の理由を示さなければならない。ただし、法令に定められた許認可等の要件又は公にされた審査基準が数量的指標その他の客観的指標により明確に定められている場合であって、当該申請がこれらに適合しないことが申請書の記載又は添付書類その他の申請の内容から明らかであるときは、申請者の求めがあったときにこれを示せば足りる。
第8条2 前項本文に規定する処分を書面でするときは、同項の理由は、書面により示さなければならない。

不利益処分

📜 第14条

第14条1 行政庁は、不利益処分をする場合には、その名あて人に対し、同時に、当該不利益処分の理由を示さなければならない。ただし、当該理由を示さないで処分をすべき差し迫った必要がある場合は、この限りでない。
第14条2 行政庁は、前項ただし書の場合においては、当該名あて人の所在が判明しなくなったときその他処分後において理由を示すことが困難な事情があるときを除き、処分後相当の期間内に、同項の理由を示さなければならない。
第14条3 不利益処分を書面でするときは、前二項の理由は、書面により示さなければならない

📘 問)

申請拒否処分の理由については、理由を示さないで処分をすべき差し迫った必要がある場合には、処分後相当の期間内に示せば足りる

✅ 正解:×

📘 問)

行政庁は、差し迫った必要があったために理由を示さないで不利益処分をした場合は、処分後もその理由を示す必要はない

✅ 正解:×

4. 公聴会

申請に対する処分の場合は、申請者以外の者の利害を考慮すべきことが許認可等の要件とされているものを行う場合には、公聴会を開催するよう努めなければいけません(努力義務)

不利益処分の場合は公聴会ではなく、意見陳述のための手続き(聴聞・弁明)が必要です。

申請に対する処分

📜 第10条

行政庁は、申請に対する処分であって、申請者以外の者の利害を考慮すべきことが当該法令において許認可等の要件とされているものを行う場合には、必要に応じ、公聴会の開催その他の適当な方法により当該申請者以外の者の意見を聴く機会を設けるよう努めなければならない。

不利益処分

なし

📘 問)

行政庁は、申請に対する処分であって申請者以外の者の利害を考慮すべき場合は、 公聴会の開催その他適当な方法により、当該申請者以外の者の意見を聴く機会を設けるよう努めなければならない

✅ 正解:○

5. 意見陳述(聴聞・弁明)

不利益処分をする場合には、名あて人について意見陳述(聴聞・弁明)のための手続を執らなければいけません。
申請に対する処分の場合は、意見陳述(聴聞・弁明)を手続きを執ることはできません。

申請に対する処分

なし

不利益処分

📜 第13条

行政庁は、不利益処分をしようとする場合には、次の各号の区分に従い、この章の定めるところにより、当該不利益処分の名あて人となるべき者について、当該各号に定める意見陳述のための手続を執らなければならない。
1 次のいずれかに該当するとき 聴聞
許認可等を取り消す不利益処分をしようとするとき。
イに規定するもののほか、名あて人の資格又は地位を直接にはく奪する不利益処分をしようとするとき。
名あて人が法人である場合におけるその役員の解任を命ずる不利益処分、名あて人の業務に従事する者の解任を命ずる不利益処分又は名あて人の会員である者の除名を命ずる不利益処分をしようとするとき。
イからハまでに掲げる場合以外の場合であって行政庁が相当と認めるとき。
2 前号イからニまでのいずれにも該当しないとき 弁明の機会の付与

📘 問)

行政庁が不利益処分をしようとする場合には、当該不利益処分の名宛人となるべき者についての公聴会の手続きをとらなければならない

✅ 正解:×

🧾 まとめ

行政手続法の処分には、申請に対する処分不利益処分があります。
それぞれ違いがありますので、条文を見ながら一つずつしっかりと覚えていきましょう。
審査基準(申請に対する処分)は法定義務、処分基準(不利益処分)は努力義務、この違いはよく出題されているので確実に抑えておきましょう。

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