
1級色彩コーディネーターのブソンです!
色彩検定1級2次試験に合格するために「これだけ覚えておけば」という知識をまとめた記事です。
前回の続きになりますので、「❶」をまだ読んでいない方は、先にこちらを参照してください。

使用するテキストや問題集は、前の記事を読んで参考にしてください。

🧠 最低限覚えておきたいこと❷
🎭 配色イメージ
配色イメージ語による配色傾向は、近年よく出題されています。
配色イメージ語と、それに対応する色相範囲やトーン位置は確実に覚えておきましょう。

👑 エレガント
エレガントのイメージは「女性的な」「気品のある」「洗練された」「優雅な」などです。
パープル系の色相と、明清色および明度の高い中間色が中心となる配色です。

🎈 カジュアル
カジュアルのイメージは「明るい」「活発な」「親しみやすい」などです。
純色から明清色を中心に、色相の対比を活かした配色になります。

📜 クラシック
クラシックのイメージは「重厚な」「円熟した」「伝統的な」などです。
全体的に暗く落ち着いた色調に、深みのあるしっかりした色を組み合わせます。

💎 クリア
クリアのイメージは「明るい」「さわやかな」「透明感のある」などです。
ブルーグリーン系やブルー系の寒色を中心に、p(ペール)やlt(ライト)トーンにホワイト系を組み合わせます。

🕶 シック
シックのイメージは「渋い」「洗練された」「大人っぽい」などです。
やや色味を感じさせる無彩色系の色を組み合わせた配色です。

🚀 ダイナミック
ダイナミックのイメージは「強い」「はっきりした」「派手な」などです。
高彩度同士の組み合わせによる色相対比や、心理四原色、オレンジ系、高彩度色と黒のコントラストが特徴です。

🌿 ウォームナチュラル
ウォームナチュラルのイメージは「穏やかな」「素朴な」「温もりのある」などです。
色相はオレンジ系からグリーン系の範囲で、トーンは自然環境色の中でも穏やかな印象のものが中心です。

🌱 フレッシュナチュラル
フレッシュナチュラルのイメージは「若々しい」「新鮮な」「さわやかな」などです。
色相はイエローグリーン系で、グリーン系を中心にブルーグリーン系までが範囲となります。トーンは明清色とホワイト系が主です。

🏙 モダン
モダンのイメージは「現代的」「人工的な」「都会的な」などです。
無彩色のハイコントラストに青系の有彩色を組み合わせた配色です。

💗 ロマンティック
ロマンティックのイメージは「かわいい」「可憐な」「愛らしい」などです。
p(ペール)トーンやlt(ライト)トーンの赤紫〜赤みの黄までが範囲で、特にピンクを使うとイメージが表現しやすくなります。

📚 その他
ここでは、配色イメージ以外に覚えておくべき色相やトーンの範囲を紹介します。
🔥 暖色
暖色は、見た目に「暖かく感じる色」です。
色相範囲は、1:pR〜8:Yです。
❄️ 寒色
寒色は、見た目に「冷たく感じる色」です。
色相範囲は、13:bG〜19:pBです。
⚖️ 中性色
中性色は、暖かくも冷たくも感じられない色です。
色相範囲は、9:gY〜12:G、20:V〜24:RPです。

🧠 心理4原色
心理4原色とは、ヘリングが提唱した色知覚の基本である「赤」「黄」「青」「緑」の4色を指します。
これらは、それぞれ一つの色みしか感じない、これ以上分解できないとされる色です。
PCCS色相は以下、すべてv(ビビッドトーン)です。
- 🔴 赤:v2
- 🟡 黄:v8
- 🔵 青:v18
- 🟢 緑:v12
💡 色光の3原色(RGB)
色光の3原色は「加法混色」の三原色で、テレビやスマートフォンのディスプレイなどで使用されます。
PCCS色相は以下、すべてv(ビビッドトーン)です。
- 🔴 赤(Red):v3
- 🟢 緑(Green):v12
- 🔵 青(Blue):v19
🖍️ 色料の3原色(CMY)
色料の3原色は「減法混色」の三原色で、印刷や絵の具などに使われます。
PCCS色相は以下、すべてv(ビビッドトーン)です。
- 🔵 シアン(C):v16
- 🟣 マゼンダ(M):v24
- 🟡 イエロー(Y):v8
🎨 グラデーション
グラデーションには、以下の3種類があります。
- 🌈 色相のグラデーション
- 📉 明度のグラデーション
- 🎯 彩度のグラデーション
🌈 色相のグラデーション
同じトーンで、色相を少しずつ変化させたものです。
色相環の流れに沿ったグラデーションとして出題されることがあります。

📉 明度・彩度(トーン)のグラデーション
同じ色相で、明度を少しずつ変化させたものです。


🎨 ファッションカラー
ファッションのトレンドのPCCSトーン記号もしっかりと覚えておきましょう。
ファッションカラーを聞いただけで答えられるようにしておきましょう。
👜カーキ
🌅 モーニングスターブルー
🍊 VC(ビタミンカラー)
🍧 シャーベットトーン
🌈 サイケデリックカラー
🌿 オリーブ
🧁 パステル
🎪 アシッドカラー

🍫 チョコレートブラウン
🌹 ローズピンク
🌊 ターコイズブルー

🎨 慣用色名
重要度 ★★★★★
色彩検定1級の2次試験で最も重要とされるのが、公式テキスト(2級・3級)の巻末に記載されている「慣用色名」のPCCS色番号を覚えることです。
慣用色名は、どの年度にも必ず出題されます。
3級の巻末には和名色名24個と外来色名37個、2級の巻末には和名色名31個と外来色名30個が掲載されています。
- 📘 3級巻末:和名色名24個、外来色名37個
- 📗 2級巻末:和名色名31個、外来色名30個
合計すると、和名色名が55個、外来色名が67個となります。

慣用色名は、ある程度の「幅」を持った色名です。
そのため、同じ慣用色名でも、テキストや資料によって微妙にPCCSトーン記号が異なることがあります。「この色はだいたいこの範囲」とイメージしながら進めてください。
2・3級のテキストを見ていてもなかなか覚えられないので、効果的な暗記方法をお教えします。
- 📝 「単語カード」を用意します
- 📄 カードの「表」に慣用色名を記入
- 🎨 カードの「裏」にPCCS色番号とそのカラーカードを小さく貼る
単語帳の表に「慣用色名」を記入して、裏に「PCCS色番号」とその色の「カラーカード」を小さく切って貼ります。
それを時間の空いたときにパラパラとめくって暗記して下さい。
暗記カードを使用すると、いつでも慣用色名の暗記ができます。
5分もあれば、すべての慣用色名を一周できますので、毎日何度か手に取って見る癖を付けましょう。
慣用色名は幅が広いので、同じPCCS色相番号で違う慣用色名の場合もあります。
系統色名までは暗記しなくてもいいですが、PCCSトーン記号からある程度わかるようしておいてください。

単語カードを作りやすいように一覧表を作りましたので、是非活用してください。
🎨 PCCS色相番号 | 🎨 慣用色名 | 🎨 PCCSトーン記号 | 🎨 系統色名 |
---|---|---|---|
2:R | ポピーレッド | v2 | あざやかな赤 |
カーマイン | v2 | あざやかな赤 | |
韓紅花 | b2 | あざやかな赤 | |
珊瑚色 | b2, lt2+ | 明るい赤 | |
茜色 | dp2 | こい赤 | |
紅梅色 | lt2+ | やわらかい赤 | |
オールドローズ | sf2 | やわらかい赤 | |
蘇芳 | d2 | くすんだ赤 | |
テラコッタ | d2 | くすんだ黄みの赤 | |
マルーン | dk2 | 暗い赤 | |
ボルドー | dkg2 | ごく暗い赤 | |
3:yR | 朱色 | v3 | あざやかな黄みの赤 |
バーミリオン | v3 | あざやかな黄みの赤 | |
スカーレット | v3 | あざやかな黄みの赤 | |
4:rO | チャイニーズレッド | v4 | あざやかな黄赤 |
黄丹 | dp4 | つよい黄赤 | |
ローシェンナ | dp4 | つよい黄赤 | |
サーモンピンク | lt4+ | やわらかい黄みの赤 | |
代赭 | d4 | くすんだ黄赤 | |
バーントシェンナ | d4 | くすんだ黄赤 | |
鳶色 | dk4 | 暗い黄みの赤 | |
弁柄色 | dk4 | 暗い黄みの赤 | |
海老茶 | dk4 | 暗い黄みの赤 | |
煉瓦色 | dk4 | 暗い黄赤 | |
栗色 | dk4 | 暗い灰みの黄赤 | |
桧皮色 | g4 | 暗い灰みの黄赤 | |
チョコレート | dkg4 | ごく暗い黄赤 | |
6:yO | マリーゴールド | v6 | あざやかな赤みの黄 |
柑子色 | b6 | 明るい黄赤 | |
ゴールデンイエロー | b6 | つよい赤みの黄 | |
琥珀色 | d6 | くすんだ赤みの黄 | |
タン | d6 | くすんだ黄赤 | |
アンバー | d6 | くすんだ赤みの黄 | |
黄土色 | d6 | くすんだ赤みの黄 | |
エクルベイジュ | p6+ | うすい赤みの黄 | |
ピーチ | p6+ | 明るい灰みの黄赤 | |
ベージュ | ltg6 | 明るい灰みの赤みを帯びた黄 | |
朽葉色 | g6 | 灰みの赤みを帯びた黄 | |
煤竹色 | dkg6 | 赤みを帯びた黄みの暗い灰色 | |
バーントアンバー | dkg6 | ごく暗い赤みの黄 | |
セピア | dkg6 | ごく暗い赤みの黄 | |
7:rY | 鬱金色 | v7 | つよい黄 |
山吹色 | v7 | あざやかな赤みの黄 | |
8:Y | ジョンブリアン | v8 | あざやかな黄 |
レモンイエロー | v8, b8 | あざやかな緑みの黄 | |
刈安色 | lt8+ | うすい緑みの黄 | |
ネープルスイエロー | lt8+ | つよい黄 | |
芥子色 | sf8 | やわらかい黄 | |
ブロンド | sf8 | やわらかい黄 | |
ローアンバー | dk8 | 暗い黄 | |
カーキー | dk8 | くすんだ赤みの黄 | |
オリーブ | dk8 | 暗い緑みの黄 | |
クリームイエロー | p8+ | ごくうすい黄 | |
アイボリー | ltg8 | 黄みのうすい灰色 | |
茶鼠 | g8 | 黄赤みの灰色 | |
9:gY | カナリヤ | v9 | 明るい緑みの黄 |
10:YG | 鶸色 | b10 | つよい黄緑 |
シャトルーズグリーン | b10 | 明るい黄緑 | |
黄蘗色 | lt10+ | 明るい黄緑 | |
グラスグリーン | d10 | くすんだ黄緑 | |
鶯色 | d10, g10 | くすんだ黄緑 | |
海松色 | g10 | 暗い灰みの黄緑 | |
利休鼠 | g10 | 緑みの灰色 | |
オリーブグリーン | g10, dk10 | 暗い灰みの黄緑 | |
12:G | ミントグリーン | b12 | 明るい緑 |
若竹色 | b12 | つよい緑 | |
コバルトグリーン | b12 | 明るい緑 | |
常盤色 | dp12 | こい緑 | |
マラカイトグリーン | dp12 | こい緑 | |
エメラルドグリーン | dp12, b12 | つよい緑 | |
アップルグリーン | lt12+ | やわらかい黄みの緑 | |
青磁色 | sf12 | やわらかい青みの緑 | |
緑青色 | d12 | くすんだ緑 | |
ビリジアン | d12 | くすんだ青みの緑 | |
ボトルグリーン | dkg12 | ごく暗い緑 | |
14:BG | ピーコックグリーン | v14 | あざやかな青緑 |
ナイルブルー | sf14 | くすんだ青緑 | |
鉄色 | dk14 | ごく暗い青緑 | |
16:gB | 納戸色 | v16 | つよい緑みの青 |
シアン | v16 | 明るい青 | |
ターコイズブルー | b16 | 明るい緑みの青 | |
浅葱色 | b16, b14 | あざやかな緑みの青 | |
マリンブルー | dp16 | こい緑みの青 | |
新橋色 | lt16+ | 明るい緑みの青 | |
空色 | lt16+ | 明るい青 | |
スカイブルー | lt16+ | 明るい青 | |
瓶覗 | p16+, ltg16 | やわらかい緑みの青 | |
17:B | セルリアンブルー | v17 | あざやかな青 |
18:B | コバルトブルー | v18 | あざやかな青 |
縹色 | b18 | つよい青 | |
藍色 | d18, dk18 | 暗い青 | |
ネービーブルー | dk18 | 暗い紫みの青 | |
ベビーブルー | p18+ | 明るい灰みの青 | |
ミッドナイトブルー | dkg18 | ごく暗い紫みの青 | |
19:pB | 瑠璃色 | v19 | こい紫みの青 |
群青色 | v19 | こい紫みの青 | |
ウルトラマリンブルー | v19 | こい紫みの青 | |
20:V | 桔梗色 | v20 | こい青紫 |
ウィスタリア | b20 | あざやかな青紫 | |
江戸紫 | dp20 | こい青みの紫 | |
藤色 | lt20+ | 明るい青紫 | |
21:bP | バイオレット | v21 | あざやかな青紫 |
22:P | モーブ | v22 | つよい青みの紫 |
菖蒲色 | b22 | 明るい赤みの紫 | |
パープル | b22 | あざやかな紫 | |
ライラック | lt22+ | やわらかい紫 | |
ラベンダー | sf22 | 灰みの青みを帯びた紫 | |
古代紫 | d22 | くすんだ紫 | |
茄子紺 | dk22 | ごく暗い紫 | |
24:RP | 牡丹色 | v24 | あざやかな赤紫 |
マゼンダ | v24 | あざやかな赤紫 | |
ワインレッド | dp24 | こい紫みの赤 | |
鴇色 | lt24+ | 明るい紫みの赤 | |
桜色 | p24+ | ごくうすい紫みの赤 | |
w / Gy / Bk | チャコールグレイ | Gy-3.0 | 紫みの暗い灰色 |
スレートグレイ | Gy-3.5, g18 | 暗い灰色 | |
銀鼠 | Gy-6.5 | 明るい灰色 | |
シルバーグレイ | Gy-6.5 | 明るい灰色 | |
ランプブラック | Bk | 黒 | |
生成り色 | off N-9 | 赤みを帯びた黄みの白 |
📝 まとめ
色彩検定1級2次試験の合格に必要な最低限の知識をまとめました。
色彩検定1級の2次試験は、どのように勉強すればいいのかわかりにくい試験です。
- 📚 1〜3級までの幅広い色の知識を身につけておくこと
- 🎨 カラーカードの扱いに慣れておくこと
ひとつひとつの内容をしっかり理解できていれば、1級2次試験はそこまで難易度の高い試験ではありません。

色の勉強はとても楽しいです。楽しみながら取り組んでいきましょう。
テキスト
問題集
必須道具
過去問題集
コメント
分かりやすい解説ありがとうございます!
ひとつ質問なのですが、慣用色名のPCCS表記はどうやって導き出したものなのでしょうか?
公式テキストなどには特に記載がないかと思うのですが、なにか変換式のようなものがあるのでしょうか?
それともザックリ見た目で合わせた感じですか?
>高田五百さま
返信が遅れてしまってすみません。慣用色名のPCCS表記は、過去問や問題集から作成したものです。少しズレている場合があるのでその点は色の範囲を広げて試験に対応できるようにしておきましょう。