こんばんは。 2級FP技能士のひねもすのたり管理人のブソンです。
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FP3級レッスンでは、合格するためのポイントを解説していきます。
今回は、「第1章 ライフプランニングと資金計画」から厚生年金についてです。
目 次
1. ライフプランニングと資金計画
❶ キャッシュフロー表と個人バランスシート ❷ 6つの係数 ❸ 住宅ローン ❹ 医療保険・介護保険 ❺ 労災保険・雇用保険 ❻ 国民年金と付加保険料 ❼ 厚生年金 ❽ 障害年金と遺族年金 ❾ 企業年金
2. リスク管理
❶ 生命保険 ❷ 生命保険の種類 ❸ 払済保険と延長保険 ❹ 生命保険の控除と税金 ❺ 損害保険 ❻ 損害保険の種類(火災保険・地震保険) ❼ 損害保険の種類(自動車保険・傷害保険・賠償責任保険) ❽ 損害保険の控除と税金 ❾ 第三分野の保険
3. 金融資産運用
4. タックスプランニング
5. 不動産
6. 相続・事業承継
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第1章 ライフプランニングと資金計画
厚生年金(会社員が加入)は、公的年金の2階部分です。
老齢厚生年金の給付
厚生年金から支給される老齢給付のうち、60歳から64歳までに支給される老齢給付を特別支給といい、65歳以上に支給される老齢給付を老齢厚生年金といいます。
特別支給は、老齢基礎年金の支給開始年齢が60歳から65歳に引き上げられたことによって、65歳から支給される老齢厚生年金をそれより前から受給できるようにしたものです。
老齢基礎年金は国民保険(1階部分)、老齢厚生年金は厚生年金(2階部分)じゃ!
受給資格
老齢厚生年金の受給資格は、老齢基礎年金の受給資格を満たしていることです。
老齢基礎年金の受給資格
保険料納付期間 + 保険料免除期間 + 合算対象期間 ≧ 10年
さらに、特別支給の老齢厚生年金は厚生年金への加入期間が1年以上、老齢厚生年金の受給資格は厚生年金の加入期間が1カ月以上が必要です。
年金額
60歳から64歳までの特別支給と、65歳からの老齢厚生年金の年金額は以下のようにして算出します。
60歳から64歳までの特別支給
特別支給の年金額は、定額部分は報酬比例部分を合算した金額になります。
定額部分 + 報酬比例部分 + 加給年金額
加給年金とは、年金の家族手当のようなもので、厚生年金の加入期間が20年以上の人に、配偶者または子がある場合に支給されます。
65歳からの老齢厚生年金
65歳になると、特別支給の老齢厚生年金の定額部分が老齢基礎年金に、報酬比例部分が老齢厚生年金に切り替わります。定額部分の額が老齢基礎年金の額より大きい場合は、その分が経過的加算として補完されます。
老齢基礎年金 (+ 経過的加算 )+ 老齢厚生年金 + 加給年金額
65歳未満と65歳以上とで呼び方が変わるということじゃ!
繰上げ支給と繰り下げ支給 頻出
繰上げ支給とは65歳より早く、繰下げ支給とは65歳より遅く年金の受け取りを開始することです。
繰上げ支給の場合は、繰上げた月数×0.5%が年金額から減額され、繰り下げ支給の場合は、繰り下げた月数×0.7%が年金額に加算されます。
老齢基礎年金(国民年金)と同じじゃ!
なお、老齢基礎年金と老齢厚生年金を同時に繰上げなければならず、繰り下げは老齢基礎年金と老齢厚生年金を別々に行うことができます。
問題1)Aさんは、通常65歳から支給される老齢基礎年金を繰り上げて受給できることを知り、FPのBさんに質問をした。老齢基礎年金の繰上げ受給に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、老齢基礎年金の受給要件は満たしているものとする
( 1 )老齢基礎年金を繰上げ受給した場合の年金額の減額は、一生涯続く
( 2 )老齢基礎年金を繰上げ受給した場合の年金額は、繰上げ月数1月当たり0.5%の割合で減額される
( 3 )老齢基礎年金を60歳から繰上げ受給した場合、老齢厚生年金を同時に繰上げ受給する必要はない
正解は( 3 )です。
老齢基礎年金を繰上げ受給した場合は、老齢厚生年金を同時に繰上げ受給する必要があります。また、老齢厚生年金を繰上げ受給した場合は、老齢基礎年金を同時に繰上げ受給する必要はありません。
老齢基礎年金は公的年金制度の1階部分(基礎部分)ということを思い出すのじゃ!
問題2)老齢基礎年金の繰下げ受給に関する次の( ア )〜( ウ )の記述について、正しいものを○、誤っているものを×とした組み合わせとして、正しいものはどれか。なお、老齢基礎年金の受給要件は満たしているものとする。
( ア )老齢基礎年金を繰下げ受給した場合の年金額の増額は、一生涯続く
( イ )老齢基礎年金を繰下げ受給した場合の年金額は、繰下げ月数1月当たり0.7%の割合で増額される
( ウ )老齢基礎年金を繰下げ受給する場合、老齢厚生年金を65歳から受給することはできない
( 1 )( ア )× ( イ )○ ( ウ )○
( 2 )( ア )× ( イ )× ( ウ )○
( 3 )( ア )○ ( イ )○ ( ウ )×
正解は( 3 )です。
老齢基礎年金を繰下げ受給しても、老齢厚生年金は65歳から受給できます。
問題3)老齢基礎年金の繰上げ受給に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、老齢基礎年金の受給要件は満たしているものとする
( 1 )老齢基礎年金を繰上げ受給した場合の年金額は、繰上げ月数1月当たり0.7%の割合で減額される
( 2 )老齢基礎年金を繰上げ受給した場合の年金額の減額は、一生涯続く
( 3 )老齢基礎年金を60歳から繰上げ受給した場合、原則として老齢厚生年金も同時に繰上げ受給しなければならない
正解は( 1 )です。
老齢基礎年金を繰上げ受給した場合の年金額は、繰上げ月数1月当たり0.5%の割合で減額されます。
加給年金
加給年金とは、年金受給者に配偶者のまたは子がいる場合に支給される年金です。
受給要件
厚生年金の加入期間が20年以上あり、その人によって生計を維持されている65歳未満の配偶者または18歳到達年度の末日までの子がいること
18歳到達年度の末日までとは、18歳になって最初の3月31日のことじゃ!
加給年金額
配偶者 222,400円
子 第1子と第2子は222,400円(第3子以降は各74,100円)
第3子以降は減額とだけ覚えておくのじゃ!
加給年金は、配偶者が65歳以上になると支給が停止され、その代わりに配偶者の生年月日に応じた金額が配偶者の老齢基礎年金に加算されます。
これを振替加算と言います。
夫の加給年金から、妻の老齢基礎年金へ移行するイメージじゃ!
問題4)夫が受給している老齢厚生年金の加給年金対象者である妻が( ① )歳になり、老齢基礎年金の受給権を取得し、当該妻に支給される老齢基礎年金に振替加算の額が加算される場合、その振替加算の額は、( ② )の生年月日に応じた額となる
( 1 )① 60 ② 妻
( 2 )① 65 ② 妻
( 3 )① 65 ② 夫
正解は( 2 )です。
問題5)老齢厚生年金に加給年金額が加算されるためには、老齢厚生年金の受給権者本人が有する厚生年金保険の被保険者期間が原則として( )以上なければならない
( 1 )15年
( 2 )20年
( 3 )25年
正解は( 2 )です。
在職老齢年金
在職老齢年金とは、60歳以降も会社で働く場合の老齢厚生年金のことです。
60歳以降に会社から受け取る給与に応じて老齢厚生年金は減額されます。
減額される基準は、以下のようになっています。
60歳以上65歳未満
給与 + 年金月額 ≧ 28万円のとき
65歳以上
給与 + 年金月額 ≧ 47万円のとき
60歳以上65歳未満の基準も47万円以上に引き上げる案があるぞ!
離婚時の年金分割制度
夫婦が離婚した場合は、婚姻期間中の厚生年金を分割することができます。
分割割合は、2分の1となります。
婚姻中に納めた年金は夫婦共通の財産じゃ!
まとめ
FP3級では、「厚生年金」では、国民年金と同じく繰上げ支給と繰り下げ支給がよく出題されます。
国民年金にはない、特別支給や加給年金、在職老齢年金などはをしっかりと抑えておきましょう。
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